看護学研究科

生命の誕生から死を迎えるまでの様々な人のケアを追求する

看護学とは人をケアすることを追求していく学問です。大学院では様々な課題に対して自分で考え、解決の糸口を見つけて実践できる人、探求する人を育てます。また、専門領域以外の特定分野について、副プログラム(データヘルス副プログラム)を提供しています。

コース紹介

研究コース

研究コースは15の領域が開講しています。自らの関心のある看護の課題に関する知識を習得し、看護の現象を捉えるための看護理論や研究方法を学びます。修士課程では、看護実践に寄与する研究能力を身に付けることができます。修了後は、教育?研究職、また臨床において実践、研究をさらに探求していきます。

高度実践看護コース

高度実践看護コースは、8つの領域が開講しています。身体機能と疾患や症状の専門的見解だけでなく、病者体験や人の成長発達過程を基軸に人々が抱え持つ健康問題の特徴を多面的に理解し、それぞれの学問領域の専門性に裏付けられた看護を展開する実践力が養われていきます。自らの関心のあるテーマについての健康問題に対して、効果的な支援ができるよう看護援助に必要な諸理論を学び、高度な実践能力を修得します。修了後は、病院や訪問看護ステーションに就職し臨床現場で実践における課題を解決するなど、専門看護師としての第一歩を踏み出し活躍されています。

実践リーダーコース

地域?学校?産業?医療機関を含む様々な場におけるヒューマンケアの実践に関する課題に取り組み、人々の健康生活の実現に向けたケアおよびシステムのイノベーションにリーダーシップを発揮できる力の修得を目指すコースです。また、授業で学修したことを現場で実践しながら能力の開発につなげるために、現にヘルスケア、スクールヘルスの現場で就業を継続しながら就学できるよう、授業は主として土曜日に開講するほか、平日夜間、夏期?冬期等に集中講義で行います。

組織看護学および地域看護学領域

現場の「組織的変革を要する課題」への取り組みを通し、人々の健康生活を支える新たなケアサービスの仕組みを創造?発展させることができる能力の修得を目指します。

学校保健学専門領域(スクールヘルスプロモーション)

養護教諭等の専門職として、日々の教育、指導や活動に直結する内容についてより高度に学ぶことを通して、児童生徒の健やかな発達に向けたケアおよびシステムの改善を先導できる能力の修得を目指します。

看護情報学領域

看護実践に伴うさまざまなデータを収集、処理、管理することによって看護情報の活用から効果的?効率的な看護の提供を検討し、保健?医療?福祉分野における情報システムを構築、発展させるための基礎的な能力の修得を目指します。

災害看護グローバルリーダーコース

災害看護グローバルリーダーコースは、博士前期課程と博士後期課程を一貫して5年間で学修するコースです。博士前期課程では、さまざまな災害状況におけるケアニーズを捉え、人々が健康に生きることを支援する能力を身につけると共に、災害によってもたらされる社会的課題を多角的に捉え、他の学問分野やセクターと協働?協力して課題解決に向かうリーダーシップと調整力を養います。5大学災害看護コンソーシアムに参画する他大学提供の科目や他研究科提供科目の履修や実践的なインターンシップ、課外活動を通して、災害看護に関する幅広い知識とスキルを獲得していきます。

教育研究上の目的?三つのポリシー等

教育研究上の目的
  1. 本研究科は、人間の尊厳を基盤とし、保健?医療?福祉環境の変化に斬新的?創造的かつ先駆的に対応できる人材を育成し、実践と研究を通じて看護学の発展に寄与することを目的とする。
  2. 看護学専攻博士前期課程(修士課程)(以下「博士前期課程」という。)においては、広い視野に立って看護学の精深な学識を授け、高度な専門性を有する看護の実践能力や研究者としての基礎能力を養うものとする。
  3. 看護学専攻博士後期課程においては、看護学の分野における創造性豊かな研究者として、広い視野のもとに自立して研究活動を行うために必要な、高度な研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うものとする。
  4. 共同災害看護学専攻一貫制博士課程においては、人間の安全保障を共通理念とし、人々の健康社会構築と安全?安心?自立に寄与するため、学際的?国際的指導力を発揮し、災害看護に関する多くの課題に的確に対応?解決する能力を養うものとする。
育成する人材像

博士前期課程

修士課程においては、広い視野にたった看護学の精深な学問を授け、 高度な専門性を有する看護の実践能力や研究者としての基礎能力を養い、国内はもとより外国において活躍しうる人材の育成を目的としている。 専門看護師をはじめ、看護管理や政策および看護教育の領域での高度な専門職業人を育成する。

看護学専攻(博士後期課程)

博士後期課程においては、高度な研究能力およびその基礎となる豊かな学識を養い、 日本国内外の看護学の分野において、広い視野のもとに自立して看護学を研究できる人材の育成、 特に創造性豊かで高度な研究能力を有する人材の育成を目的としている。

共同災害看護学専攻(5年一貫制博士課程)

博士後期課程においては、高度な研究能力およびその基礎となる豊かな学識を養い、 日本国内外の看護学の分野において、広い視野のもとに自立して看護学を研究できる人材の育成、 特に創造性豊かで高度な研究能力を有する人材の育成を目的としている。

ディプロマ?ポリシー

本研究科看護学専攻博士課程に所定の期間在学し、看護学およびその関連開設科目を履修して修了要件となる単位数を修得するとともに、学位論文の審査および最終試験に合格した次の要件を満たす者に、学位を授与する。

博士前期課程

博士前期課程(修士課程)は、臨床現場における看護実践の改革者および研究者の養成を目的とし、4つの履修コースを設けている。下記の各コース共通の能力とコース別の能力を身につけた者に修士(看護学)の学位を授与する。学位の英語表記はMaster of Science in Nursingとする。

全コース共通

  1. 人間の尊厳を理解し、高い倫理観と専門職としての看護観を有している
  2. 広い視野に立った学識を有し、看護学の発展と探求に寄与できる
  3. 人々の健康と生活の質向上のため、保健?医療?福祉の変革に寄与できる

研究コース

  1. 実践に根差した研究課題を探索し、必要な研究方法を用い取り組むことができる
  2. 看護実践を支える科学的?哲学的基盤を理解し、看護研究を通して、看護学の体系化とその発展に貢献できる研究能力を有している

高度実践看護コース

  1. 看護の現象を捉える洞察力を身につけ、ケアとキュアを融合させた高度な看護を実践する能力を有している
  2. 多様な専門職と連携を図り、リーダーシップを発揮して臨床現場の変革に繋がる方略を自ら導き出す能力を有している

実践リーダーコース

  1. 地域?学校?産業?医療機関を含む様々な場におけるヒューマンケアの実践に関する課題の解決に取り組む能力を身につけている
  2. 人々の健康生活の実現に向けたケアおよびシステムのイノベーションにリーダーシップを発揮する力を備えている

災害看護グローバルリーダーコース

  1. さまざまな災害状況におけるケアニーズを捉え、人々が健康に生きることを支援する能力を身につけている
  2. 災害によってもたらされる社会的課題を多角的に捉え、他の学問分野やセクターと協働?協力して課題解決に向かうリーダーシップと調整力を有している

博士後期課程

博士後期課程は、2つの履修コースを設けている。

研究コース

高度な研究能力およびその基盤となる豊かな学識を養い、国内外の看護学の分野において、広い視野のもとに自立して看護学を追究できる人材の養成を目的とし、下記の能力を身につけた者に博士(看護学)の学位を授与する。学位の英語表記はDoctor of Philosophy in Nursingとする。

  1. 高度な研究能力およびその基盤となる豊かな学識を有する
  2. 学際的視点から看護学の構築に寄与できる能力を有する
  3. 次代の看護を担う人材を育成するための能力を有する
  4. 人々の健康と生活の質向上のため、社会システムの構築および変革に寄与できる

災害看護グローバルリーダーコース(5年一貫)

人間の安全保障を基本理念として、いかなる災害状況でも「その人らしく健康に生きる」ことができる安全安心社会の実現に向けて、学際的、グローバルな視点から災害看護の実践と災害看護学の発展にリーダーシップを発揮することができる能力を獲得することを修了認定の要件とする。具体的には、以下に掲げる災害看護グローバルリーダーに必要な5つの能力を修得した学生に、博士(看護学)を授与すると共に、災害看護グローバルリーダーコース (Disaster Nursing Global Leader)の修了を認定する。学位の英語表記はDoctor of Philosophy in Nursingとする。

  1. 実践力:災害看護の高度な専門性と高い倫理観を有している職業人として、人間の安全保障を基本理念とし、いかなる災害状況でも「その人らしく健康に生きる」ことを支援する能力
  2. 研究開発力:学際的見地に立って災害看護学に関する研究開発を遂行、推進するとともに災害看護学の発展を牽引する能力
  3. 国際力:グローバルな視点から災害の状況と課題を捉え、発信できる能力
  4. 連携力:卓越したリーダーシップと調整力とを発揮し、他の学術分野やセクターと協働?協力して、災害事態への対処と課題解決を行うことができる能力
  5. 政策提案力:安心安全な社会の実現に向けて、制度やシステムの変革に向けて提案する能力
カリキュラム?ポリシー

本研究科看護学専攻では、ディプロマ?ポリシーの達成のために、それぞれの課程やコースの特性に沿って科目編成を行っている。基本的に大学院レベルの国際?学際的教養を身につけ、看護学を精深に理解し、さらにそれぞれの専門性を深められるよう、カリキュラムを工夫している。

博士前期課程

博士前期課程は、研究コース、高度実践看護コース、実践リーダーコースおよび災害看護グローバルリーダーコースを開設する。カリキュラムは、看護現象を捉える力を育成し探究するために、看護学の基盤となる理論や研究に関わる「看護学基盤科目」、幅広い視点から課題解決にあたる学識と教養力を養うための「関連教養科目」、高度実践看護において共通して必要となる知識であり、各専門領域の知識?技能の修得を相乗的に高めるための「看護学共通科目」、看護の専門的知識を実践に根ざして捉えるため、専門領域毎の専門性を高める「領域別専門科目」で編成されている。専門領域毎にコース別の履修モデルを示しているが、各コースにおける領域別専門科目の構成を以下に示す。

研究コースでは、研究者養成を目的として、以下の科目を配置している。

  1. 看護現象を焦点化し研究課題を導くための専門領域の講義、演習科目を置く。
  2. 看護における知識や技術の検証、新たな理論や方法論の創設等、看護課題についての研究能力を育成するために、特別研究科目を置く。

高度実践看護コースでは、専門看護師養成を目的として、以下の科目を配置している。

  1. 各専門領域において、対象の特性に応じて健康問題を分析?評価するために必要な諸理論に関する科目を置く。
  2. 各専門領域における高度実践看護を実現するために、ケアとキュアの両側面からの演習科目と臨床実習科目を置く。
  3. 健康問題に関わる多様なニーズに対応する高度実践看護を実現するために、専門領域の枠組みを超えた科目を置く。
  4. 看護ケアを開発および看護の役割拡大をするための臨床研究の能力に関わる特別課題演習科目を置く。

実践リーダーコースでは、ヒューマンケアの実践でリーダーシップを発揮する人材の養成を目的として、以下の科目を配置している。また、授業で学修したことを現場で実践しながら能力の開発につなげるために、現にヘルスケア、スクールヘルスの現場で就業を継続しながら就学できるよう、授業は主として土曜日に開講するほか、平日夜間、夏期?冬期等に集中講義で行う。

  1. 組織看護学領域並びに地域看護学領域では、実践現場で遭遇する看護の組織的課題の解決に必要な5つの能力(看護を創造発展させる力、戦略的組織構成力、状況分析評価力、組織的行動力、人材開発育成力)を育成するために、組織を理解し、課題解決やシステム変革、人材育成を展開する実践的な知識?技能の育成を目指した講義、演習、実習科目を置く。
  2. 学校保健学領域では、スクールヘルスプロモーションにおける保健?医療に係る知識?技能を「広める学び」の科目と養護教諭としての教育、指導や活動を「深める学び」の科目を置く。
  3. 看護情報学領域では、看護情報学および情報科学分野に関連する知識?技術に基づいた保健?医療?福祉分野における情報システムを構築?発展させるために必要な基礎的な能力の育成を目指した科目を置く。
  4. 各専門領域に関する、実践的な課題を発見し、解決につながる活動と研究を支援する科目を置く。

災害看護グローバルリーダーコースは、災害看護のグローバルリーダーの養成を目的として、博士前期課程と後期課程を一貫した5年間のコースとして設定し、以下の科目を配置している。

  1. 災害による人の生活や健康への影響をグローバルな視点から捉え理解し、人間の安全保障を具現化する知識と実践的スキルの育成を目指し、講義、演習、実習(フィールドワーク/インターンシップ)科目を置く。
  2. より広い視野から災害看護の諸現象とアプローチ方法を探求するために、災害看護学の教育を連携して行う大学院によるコンソーシアムによって提供される科目ならびに関連学問分野である減災復興政策研究科等の他研究科が提供する科目も履修できる編成とする。

博士後期課程

博士後期課程においては、それぞれの領域において自立して研究できる人を養成することを目的としている。カリキュラムは、看護現象の理論化を図り研究の基盤を固めるための「看護学共通科目」、専門領域毎の専門性を高める「専門領域科目」、博士論文の精度の向上に役立てる「博士論文支援科目」、および学生のニーズに合わせて選択できる「自由選択科目」で編成されている。

学修成果の評価の方法

学修成果の評価は、試験、レポート、参加度、発表内容、論文の審査結果等により、学修目標に即して多面的な方法で行う。

アドミッション?ポリシー

博士前期課程

(求める学生像)

広い視野にたって看護学を探求し、高度な専門性を有する看護の実践能力や研究者としての基礎能力を養い、国内はもとより海外において活躍する意欲にあふれた人を求めています。

(アドミッション?ポリシー)

  1. 看護学の基礎的な能力を有する人
  2. 倫理的感受性をもって保健?医療?福祉の状況を捉え、柔軟に行動できる人
  3. 論理的思考をもって看護学の知識を自ら学んでいくことができる人
  4. 国内外において、看護学や看護実践の発展に寄与する意欲のある人

(入学選抜における評価方法)

アドミッション?ポリシーに挙げた1および3の資質および能力を個別学力検査(英語及び専門科目)により評価します。

2および4については出願者が提出する資料と面接試験により評価します。

博士後期課程

(求める人物像)

高度な研究能力およびその基盤となる豊かな学識を養い、日本国内外の看護学の分野において、広い視野のもとに自立して看護学を追究でき、特に創造性豊かで高度な研究能力を身につける意欲のある人を求めています。

アドミッション?ポリシー

  1. 広い視野で看護の課題を探求するための基礎的な能力を有する人
  2. 積極的かつ創造力をもって、看護学の発展に寄与する意欲のある人
  3. 論理的思考、発言力をもって看護学を追究できる人

(入学選抜における評価方法)

アドミッション?ポリシーに挙げた1および3の資質および能力を個別学力検査(英語及び専門科目)により評価します。

2および3については出願者が提出する資料と面接試験により評価します。